神社の種類(その2)

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その1で紹介した社号とは別で、祭神(祀られる神)によって呼び名が変わります。

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一宮

地域を代表する大きな神社のこと。地域の中で最も神威が高い神社。
また、一の宮、二の宮、三の宮とは、国司が順拝する順です。

稲荷社

宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)をお祀りしている神社です。
稲荷神を祭神として祀る神社を稲荷神社と呼び、全国各地に存在します。

全国で神社数は稲荷神社が最多と言われているようです。
総本社は京都の伏見稲荷大社で、稲の信仰(穀物・農業・商売繁盛・殖産興業)の神として信仰されていて、商店内、企業のビルの屋上、工場の敷地内などにも祀られています。
稲荷は、イネナリ(稲成)という意味で、稲は一粒の米からたくさんの実がなることから、商売繁盛・産業隆盛の神様としても信仰されたと言われているようです。

八幡社

八幡神を祭神として祀る神社を八幡神社(八幡社、八幡宮)と呼び、全国各地に存在します。
大分県の宇佐の氏神から始まり(総本社は宇佐神宮)、平安京の守り神として石清水八幡宮が創建されました。

鎌倉時代に源頼朝が鶴岡八幡宮を創建し、武運、鎮守の神として全国に広まりました。

祭神である八幡神は応神天皇を神格化したもので、農耕神あるいは海の神とされています。応神天皇・神功皇后をお祀りしています。鶴岡八幡宮や岩清水八幡宮が有名です。

神明社(神明神社)

伊勢神宮を総本社とし、天照大神を主祭神として祀る神社のことです。

神明(しんめい)神社、皇大(こうたい)神社、天祖(てんそ)神社などともいい、通称として「お伊勢さん」と呼ばれます。
伊勢信仰は伊勢の神宮に対する主として庶民の信仰をいい、元は祭神の天照大神が皇室の祖神とされているため、農耕儀礼と密接に結びつき広く信仰を集めてきました。

天神社(天満宮)

天神・天満とは天満大自在天神の略称です。天満宮は、平安時代の学者である菅原道真を祭神とする神社で、政治的不遇を被った道真の怒りを静めるために神格化し祀られるようになりました。天神とも呼ばれています。道真が優れた学者であったことから天神は「学問の神様」や「受験の神様」信仰されています。
大宰府天満宮や北野天満宮が有名です。

諏訪神社

長野県の諏訪湖の両岸にある諏訪大社より祭神の勧請を受けた神社です。
諏訪大明神ともいわれる建御名方神(たけみなかたのかみ)とその妃である八坂刀売神(やさかとめのみこと)をおまつりしています。
諏訪信仰は雨や風を司る竜神の信仰や、水や風に直接関係のある農業の守護神としての信仰が著名です。また水の信仰が海の守り神としても信仰されています。

熊野神社

熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)より熊野権現の勧請を受けた神社で、同名または熊野社など類似の社名の神社が全国各地にあります。

春日神社

春日大社から勧請を受けた神社で、全国各地にあります。祭神は春日神で、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、武甕槌命(タケミカヅチオ)、経津主命(ふつぬしのかみ)、比売神(ひめのかみ)の四柱の神が本体となっていて、奈良・平城京に遷都された710年(和銅3年)、藤原不比等が藤原氏の氏神である鹿島神(武甕槌命)を春日の御蓋山に遷して祀り、春日神と称したのに始まります。

八坂神社

素戔嗚尊命(すさのおのみこと)を祭神とする全国各地にある神社の名称です。総本社は京都の八坂神社で、通称祇園さんとも呼ばれます。平安時代の始め頃に都で流行した疫病による大災厄の発生を政治的に失脚して処刑された人の怨みによる崇りであろうと当時の人々は考え、最初はその御霊を祭りましたが、怒りは治まらなかったため、より強い神仏が求められたことが、日本神話でヤマタノオロチ(八岐大蛇=あらゆる災厄)を退治し、クシイナダヒメノミコトを救って、地上に幸いをもたらしたとされる素戔嗚尊命を祭った起源とされています。これにより、災厄を鎮める神様として知られているようです。

白山神社

富士山、立山とともに三霊山と呼ばれる白山の神を祀る神社で、石川県白山市の白山比咩神社を総本社としています。祭神は菊理媛神(くくりひめのかみ)(白山比咩神)・伊弉諾尊(イザナギ)・伊弉冉尊(イザナミ)の三柱としているものが多くあります。白山神社は全国各地にありますが、特に岐阜県・石川県・新潟県・静岡県に多く分布しています。

住吉神社

住吉三神を祀る神社で、祭神の住吉三神は底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(うわつつのおのみこと)の総称です。海の神、航海の神とされています。

日吉(山王)神社

日吉神社・日枝神社あるいは山王神社などという社名の神社は山王信仰に基づいて日吉大社より勧請を受けた神社で、大山咋神(おおやまくいのかみ)と大物主神(または大国主神)を祭神とします。
「山王」とは、霊山を守護する神霊のことで、ここでは比叡山の地主神である大山咋神のことを指します。また、平安京遷都により、当社が京の鬼門に当たることから、鬼門除け・災難除けの社として崇敬されるようになりました。

金毘羅神社(こんぴらじんじゃ)

香川県琴平町の金刀比羅宮を総本社とし、祭神として大物主神を祀る神社で、全国各地に存在します。金刀比羅宮は、元はその鎮座する象頭山の神を祀るものであった。古くから象頭山は瀬戸内海の航行の目印とされてきたことから、象頭山の神は航海安全の神として信仰されるようになった。また、航海安全だけでなく、祈雨の神として農民からも信仰されてきました。

恵比寿(蛭子)神社(えびすじんじゃ、ひるこじんじゃ)

ヒルコ或いはえびす或いは事代主命(ことしろぬしのみこと)を祭神とする神社です。
「恵比寿神」とは元々、海の神で、海岸に流れ着いた見慣れないものを「えびす」と呼んで、それを海に神からの贈り物としてまつる習慣から起こったものです。ここから、豊漁、ひいては商売繁盛の神として現在に至ります。祭神がイザナギとイザナミの間の子であるヒルコや大国主命の子である事代主命であるのは日本神話が成立する過程で恵比寿神と結び付けられるようになりました。

 

 

他にも、偉人を祭った神社(乃木神社など)や戦没者を祭った神社(靖国神社、護国神社など)のような形態の神社も数多くあります。

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